記事リリース日:2018年1月23日 / 最終更新日:2019年1月21日
【医師に嬉しいオンライン診療(遠隔診療)】
日本中の医師を一気に助ける画像診断
オンライン診療(遠隔診療)というと、遠く離れた医師と患者がインターネットでつなげるイメージを持たれると思いますが、医師と医師をつなぐオンライン診療(遠隔診療)もあります。それが遠隔画像診断です。
ある病院で患者がCT検査を受けたとします。そのCTで撮影した画像を、外部の専門の医師にインターネットで送信し、病気の有無を判断してもらう仕組みです。
遠隔画像診断における、患者と医師のそれぞれのメリットを紹介します。
まず用語の確認から
病院で行われている医療の中で、画像診断は患者から見えにくい存在です。そこでまずは、基本的な用語を確認しておきます。
まずそもそもの【画像診断】ですが、これはX線、CT、MRI、血管造影、PETなどの【画像検査機器】で撮影した画像を医師が見て、病気があるかどうかを判断することをいいます。
画像検査機器が映し出す画像は、医師の目では見えない画ので、医師が治療方針を決めるときに欠かせない資料になります。
医師が画像を見ることを【読影(どくえい)】といいます。なぜ「影を読む」というのかというと、医療用の画像のほとんどが白黒の影のあるなしで表現されているからです。
影のあるなしや影の大きさだけで病気の有無を判断しなければならない画像診断には、高度な読影スキルが必要になります。
それで画像診断を専門に行っている【放射線診断専門医】が誕生しました。放射線診断専門医になるには、日本医学放射線学会の厳しい審査に合格しなければなりません。
オンライン診療(遠隔診療)によって誰と誰がつながっているかを表現する言葉として、【D to D】と【D to P】という用語があります。
Dはドクター、つまり医師です。Pはペイシャント、つまり患者です。
医師が患者を診るオンライン診療(遠隔診療)はD to P(医師から患者へ)です。そして遠隔画像診断は医師と医師をつないでいるので、D to D(医師から医師へ)となります。
検査画像の見落としを防ぐ
遠隔画像診断が必要になった背景には、多数のハードと少数の読影医師という日本特有の事情があります。
全世界のCTの3分の1が日本にあるといわれるほど、日本は「画像検査機器大国」なのですが、大量の画像検査機器で撮影される膨大な枚数の画像を読影する医師が圧倒的に少ないのです。
では日本の多くの医師たちはどうしているかというと、自分が治療している患者の検査画像を自分で読影しているのです。
しかし検査画像の見落としという重大な事故が起きています。健康診断の胸部X線画像に2年にわたって肺がんの兆候が出ていたのに、医師がそれを見落として患者が死亡し、遺族が医師を訴えた事例もあります。
やはり検査画像は、放射線診断専門医が読影したほうが良いのです。もしくは、治療に当たっている医師と放射線診断専門医のダブルチェックが望ましいのです。
しかし放射線診断専門医不足は、地方に行けば行くほど深刻化していきます。そこで、検査画像をインターネットで放射線診断専門医に送る遠隔画像診断が登場したのです。
遠隔画像診断支援サービスの登場
遠隔画像診断は、民間企業がリードしてきました。
東京都港区にある株式会社ドクターネットは1995年に創業し、97年には遠隔画像診断支援サービスを始めました。
同社には約400人の放射線診断専門医が登録しています。
遠隔画像診断では、さまざまな通信機器やコンピューターが必要です。
遠隔画像診断をドクターネットの依頼したい医療機関は、PACSというコンピューターシステムを導入します。PACSはX線やCTやMRIなどで撮影した画像データをネットワークでやりとりするためのものです。
依頼元の医療機関が送信した検査画像は、サーバーやクラウドと呼ばれる画像データを溜めておくコンピューターに保存されます。
ドクターネットの放射線診断専門医は、サーバーやクラウドにある画像を読影し、レポートを書きます。
レポートには「がんが疑われる」や「経過観察してください」といった画像診断内容が書かれています。
依頼元の医師がレポートを受け取り、患者に告知したり医療方針を決めたりするのです。
ドクターネットの遠隔画像診断では、18時までに検査画像を送信すれば、翌日の正午までにレポートを提出するようになっています。
依頼元の医療機関がドクターネットに支払う料金は、月額基本料6万円(税別、以下同)と、1つの部位のCT画像(200スライス)で3千円です。
遠隔画像診断が大いに生かされるのは、広大な土地が広がる北海道です。札幌市の株式会社MITTの土本正社長は、放射線診断専門医の資格を有する医師です。2007年の創業時から2017年3月までに20万枚を読影してきました。
依頼元の医療機関は90に達し、その中には公立病院や中核病院もあります。四国や九州からも読影の依頼があります。
MITTの料金は1回約2,500円となっています。
新しい医療には費用対効果の視点が欠かせない
画像診断の料金をわざわざ紹介したのは、新しい医療とお金は切っても切れない関係にあるからです。現代医療は費用対効果が重視されるので、どんなに良い医療でもコストが莫大にかかるとなかなか普及しません。
病院がCT検査を行った場合、その病院には約1万円が収入として入ってきます。さらに画像診断の診療報酬として、その画像がX線なら850~3,060円、CTなら4,500円が入ってきます。
ところが画像検査を行った医療機関が、ドクターネットやMITTなどの遠隔画像診断サービス企業に読影を依頼した場合、1回2,500円~3千円かかり、その費用は単純な出費になります。
自院の医師が自身で読影した場合、支払わずに済むお金です。
それでも遠隔画像診断を依頼する病院やクリニックがたくさん存在するのは、依頼元の医療機関側に次のメリットがあるからです。
- ●治療にあたる医師の負担を減らすことができる
- ●放射線診断専門医による正確な読影が期待できる
自院の医師を守り、患者サービスを向上させることができるのです。
まとめ:ハードの進化によってさらに便利に
遠隔画像診断には、過去の画像と比較することが難しかったり、患者のなりすまし、情報漏えい、または改ざんといったリスクもつきまといます。
しかし読影が得意な医師と治療が得意な医師がつながれば、最も大きなメリットを受けるのは患者です。ネットや通信機器や画像技術などのハードはこれからますます進化するので、遠隔画像診断もますます便利なものになるでしょう。
当クリニックのED・AGA・肥満治療はオンライン診療が可能です。
料金設定も「予約料500円+お薬の送料一律500円+お薬代」のみとなっております。
厚生労働省の告知に基づき、当クリニックでの初診は来院で受診して頂いた上で、
再診時よりオンライン診療による受診が可能となります。
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