初診は必ず対面診療
Aクリニックでオンライン診療(遠隔診療)の高血圧治療を受けるには、同院に予約をして従来型の対面方式による初診を受ける必要があります。
オンライン診療(遠隔診療)からスタートすることはできません。
本態性か二次性かを見極める
初診では、医師による問診と診察が行われます。
ここで、患者の高血圧が本態性高血圧なのか二次性高血圧なのかが分かります。二次性高血圧とは、他の病気が高血圧の症状を起こしている状態です。
二次性高血圧の場合、まずはその「他の病気」を治療しなければならないので、別の専門医を紹介することもあります。
一般的に「高血圧」と呼ばれているのは、本態性高血圧のほうです。本態性とは「原因が分からない」という意味です。
Aクリニックのオンライン診療(遠隔診療)の高血圧治療の対象は、本態性高血圧になります。
家庭での血圧測定と降圧剤の服用
医師が本態性高血圧であると診断すると、患者には血圧を下げる薬「降圧剤」が処方されます。患者は日常生活の中で降圧剤を飲むことになります。
さらにAクリニックでは患者に、血圧測定を指導しています。医師は患者から血圧測定の結果を聞き、治療の調整などを行います。
オンライン診療(遠隔診療)は2カ月に1回
処方される降圧剤の量は2カ月分です。つまり患者は、2カ月後に再び医師の診察を受けて2カ月分の降圧剤をもらう必要があります。
Aクリニックでは、この2回目の再診からオンライン診療(遠隔診療)がスタートします。
患者はスマホ、医師はパソコンを使って、ビデオ通話(テレビ電話)で診察を行います。医師が「問題がない」と判断すると、次の2カ月分の降圧剤と処方箋を宅配便で患者のところに送ります。
「問題あり」となってもオンライン診療(遠隔診療)を継続する
では、ビデオ通話で医師が「問題がある」と判断した場合はどうなるのでしょうか。
このときも薬の微調整などで済む範囲であれば、オンライン診療(遠隔診療)を継続します。降圧剤には多くの種類があるので、薬を替えたりします。
Aクリニックでは極力オンライン診療(遠隔診療)で治療を進めることで、オンライン診療(遠隔診療)のメリットを最大限引き出そうとしているのです。
もちろん、薬の変更では症状を抑制できないときはすぐに対面診療に切り替えます。
保険適用、料金は割安
Aクリニックのオンライン診療(遠隔診療)の高血圧治療は医療保険の対象なので、治療費は3割負担で済みます。
また治療費は、対面診療より若干割安になるとしています。対面診療だと、クリニックは患者に生活習慣管理料という特別な費用を請求できるのですが、オンライン診療(遠隔診療)ではこれを請求できません。クリニック側としては収入減になるのですが、患者にとっては治療費が低く抑えられるメリットがあります。
ただ、薬の宅配料は患者負担となります。しかしこれも、通院にかかる交通費より割安になるので、トータルすると患者のメリットは増えるでしょう。
Aクリニックは「新しい医療体験を提供したい」と考えている
Aクリニックは、オンライン診療(遠隔診療)の高血圧治療に取り組む狙いとして、次の6点を挙げています。
- ・厚生労働省の方針変更でオンライン診療(遠隔診療)を誰でも利用できるようになった
- ・オンライン診療(遠隔診療)の有効性が世界中で報告されている
- ・しかし日本ではまだオンライン診療(遠隔診療)は一般的でなく、実施法は確立していない
- ・当クリニックで安全性と有効性に関する知見を蓄積していきたい
- ・オンライン診療(遠隔診療)の優位性が明らかになれば、通院時間と待ち時間の節約、医療費の低減、患者の生活の質が向上すると考える
- ・オンライン診療(遠隔診療)を利用した医療体験を患者に提供したい
国の規制緩和というチャンスを活用し、オンライン診療(遠隔診療)の優れた点を証明することで、日本の医療の改善に取り組むということです。