レセプト(診療報酬明細書)作成用コンピュータを内蔵している
レセプトとは、患者の治療を行った医療機関が、患者が使った医療保険の保険者に医療費を請求するための明細書です。
国民健康保険(市区町村)や協会けんぽや企業の健康保険組合などの公的医療保険に加入している患者は、治療を受けた医療機関で原則、医療費の3割しか支払いません。
残りの医療費の7割は、医療機関が国民健康保険や協会けんぽや企業の健康保険組合などに請求します。
そのとき医療機関はどの患者にどういった内容の治療を行い、どのような薬を処方したかなどをレセプトに記して、そのレセプトを国民健康保険や協会けんぽや企業の健康保険組合などに送信するのです。
レセプトは請求書のようなものです。
こうしたレセプトに関わる事務処理をコンピュータで行うのが、レセプト作成用コンピュータです。レセプト作成用コンピュータは、通常は電子カルテのコンピュータとは別に設置しなければなりません。
しかしクリニクスカルテは、このレセプト作成用コンピュータを内蔵してしまったのです。
レセプトに記載する内容はほとんど電子カルテに書かれてあるので、電子カルテとレセプト作成用コンピュータを合体させることはとても合理的なのです。
これにより、患者の受付、診療記録入力、医療費の算出と請求、患者の支払い、レセプト作成、レセプト作成を、すべてクリニクスカルテ上で行えてしまうのです。
クリニクスカルテに内蔵されているレセプト作成用コンピュータは、日本医師会ORCA管理機構の日医標準レセプトソフト(通称ORCA)です。
オンライン診療(遠隔診療)に対応している
メドレーはクリニクスカルテにオンライン診療(遠隔診療)も合体させました。
そのため、1人の患者が1つの医療機関で対面診療とオンライン診療を受けているとき、両方の診療情報を1つのカルテで管理できるようになります。
オンライン診療ではパソコンやネットを利用しますが、そのコンピュータ処理と、電子カルテのコンピュータ処理とレセプト作成のコンピュータ処理が一体になるので、医師や事務職員の事務処理量は格段に減るはずです。
医師はその分、患者とのコミュニケーションに時間を割くことができますし、医療機関は人件費を抑制できるでしょう。
患者とのコミュニケーション機能を搭載している
クリニクスカルテはネットに接続しているので、患者のスマホやパソコンとつながることができます。
そこで、まだ治療途中にも関わらずに自己判断で治療を中断してしまった患者に対し、来院を促すことができる機能を搭載しました。
これは医療機関にとっても患者側にとっても、非常に良い事ではないでしょうか。
また、検査結果を患者のスマホに送信することもできます。患者はいつでも自分の健康状態を数値で知ることができるようになり、治療への理解が深まるでしょう。
患者が診療予約や問診票の事前回答、
クレジットカードでの支払いができる
クリニクスカルテにはさらに、患者が診療予約できたり、来院する前に問診票に回答できたりする機能も備えています。
クレジットカードでの支払いもできます。
将来的に機能を追加できる
もしかしたらクリニクスカルテの本当の“すごさ”は将来性かもしれません。
メドレーは、クリニクスカルテを使って電子処方せんを発行・送信しようとしています。
いまの処方せんは紙製で、患者は医療機関の受付で手渡しで受け取らなければなりません。
電子処方せんになれば、処方せんの情報がインターネット経由で医療機関から患者のスマホに届くわけです。
ビジネスパーソンが会議の資料をインターネットでやりとりするようなイメージです。
処方せんを紙で発行する必要がなくなれば、医療機関にとっては紙などの備品管理や必要な印刷代(電子処方せんシステムの利用代が別途で掛からなければ)が抑えられますし、患者側にとっても処方せんを紛失してしまうリスクも低減され、調剤薬局でのやりとりがスムーズになる筈です。
また、クリニクスカルテには医療に関するすべての情報がデータとして入力されることになるので、データの有効活用が進むでしょう。
ビッグデータとしてAI(人工知能)に応用できるかもしれません。
またクリニクスカルテを院内の検査部門のコンピュータと接続すれば、医師はリアルタイムで検査結果がわかるので、治療効率が向上するはずです。
「医療に関するすべての情報」のなかには「お金のこと」も含まれますので、医療機関の経営者はクリニクスカルテで経営分析やマーケティング戦略を練ることもできます。