記事リリース日:2018年12月26日 / 最終更新日:2019年1月21日
オンライン診療(遠隔診療)は
医療の3大問題を一気に解決する潜在能力を持つ
アルコール飲料メーカーのサントリーはいま、オンライン診療(遠隔診療)を健康経営に取り入れています。
健康経営とは、企業が社員やその家族の健康を入念にケアすることで生産性を向上させる経営戦略のことです。
サントリーが導入しているオンライン診療システム「ヤードック(YaDoc)」は、株式会社インテグリティ・ヘルスケア(本社・東京都中央区)という会社が開発しました。
同社の代表取締役会長の武藤真祐氏は、東京大学医学部卒の医師であり、医療法人の理事長であり、世界的なコンサルティング会社に在籍したことがあるビジネスパーソンであり、そして医療政策のプロです。
その武藤氏は、日本の医療が抱える3大問題の大部分は、オンライン診療の普及で解決できると考えています。
オンライン診療にあるポテンシャル(潜在能力)を紹介します。
3大問題とは「医師の問題」「医療体制の問題」「患者の問題」
武藤氏は、日本の医療は次の3つの問題を抱えているとみています。
このように並べただけでも問題の深刻さを推測できます。
オンライン診療による解決策を紹介する前に、この3つの問題を詳しくみてみましょう。
医師の問題とは
武藤氏はメディアの取材に対し、昔の医療のメーンテーマと現代の医療のメーンテーマは、次のように変わったと述べています。
- ・昔の医療のメーンテーマ:感染症対策が中心だった。抗生剤で一撃で治すことができた。
- ・現代の医療のメーンテーマ:日常生活に密接にかかわる生活習慣病対策が必要。患者の健康管理が必要になる。
もちろんこの見解は、現代医療の問題を浮き彫りにするための一種の極論です。
しかし糖尿病や高血圧症や脂質異常症などの痛みも苦しさもない生活習慣病が、脳梗塞や心筋梗塞やがんなど命にかかわる重大な生活習慣病に発展する事の重大性は、医師や患者だけではなく社会全体の深刻な問題になっています。
そのうえで武藤氏は、医師の意識改革が日本の医療の課題になっている、と考えているのです。
生活習慣病は、医師が患者に処方せんを渡しただけでは治りません。医師が患者の病気や生活を継続的に管理しなければ、症状の改善は望めません。
武藤氏は現代の医師がすべきことは、患者との接触回数を増やすことであると考えています。
医療体制の問題とは
医師は患者との接触回数を増やさなければならないのに、医療機関へのフリーアクセスが崩壊している、と武藤氏はみています。
フリーアクセスとは、患者が受診する医療機関を自由に選ぶことができる医療制度のことです。
もちろん日本に住む人は、近所のクリニックでも総合病院でも大学病院でも、希望する医療機関にかかることができます。
大学病院や大規模病院の場合、クリニックや中小病院の紹介がないと受診しにくくなってきていますが、それでも最初から大学病院を受診することが完全に禁じられているわけではありません。
武藤氏が問題視しているのは、高齢者がフリーアクセスできなくなっていることです。
高齢者夫婦世帯や独居の高齢者は、行きたいときに医療機関に行けないことがあります。
介護保険制度の介護認定を受けていなければヘルパーの支援を受けることができませんし、介護認定を受けていたとしても介護業界は深刻な人手不足に陥っていてヘルパーの確保は簡単ではありません。
また、介護保険や医療保険の自己負担割合は増加傾向にあり、出費を抑えたいという動機で受診回数を減らす高齢者も少なくありません。
これでは、制度上はフリーアクセスであっても、実質的にフリーアクセスできない状態です。
医療体制の問題とは
武藤氏が考える患者の問題は、患者の判断で服薬を中止したり受診しなくなったりすることです。
糖尿病も高血圧も脂質異常症も、初期はもちろんのこと、ある程度進行しても痛みも苦しさもありません。
またこれらの病気は、治療に取りかかったとしても薬を飲んだり生活習慣を改善したりするだけですし、劇的な改善もみられないため、患者が治療に飽きてしまったり、面倒に感じてしまうことが少なくないのです。
そのような患者は、一度発症してしまった生活習慣病を改善するには時間がかかることや、現状維持でも悪化するより全然良好な状態であることを理解していないのです。
もしくは、理解していても面倒くさいという感情のほうが強くなってしまうのです。
しかし、糖尿病と高血圧と脂質異常症の“終着駅”は、命にかかわる重大な病気です。
この大問題をオンライン診療はどう解決していくのか
武藤氏は、世界一の超高齢社会を迎えている日本は、力強くこの難題を乗り越えていかなければならないと、強く思っています。
さらに、人々が誇りをもって次世代に引き継げる医療制度を確立したいと考えています。
そのためには3大問題を解決しなければならず、その有効手段のひとつがオンライン診療(遠隔診療)なのです。
医師の問題の解決方法
医師の問題とは、生活習慣病の治療に必要な患者との接触回数が減っていることでした。
オンライン診療を使えば自宅でも職場でも、患者はスマホで簡単に医師の診察を受けることができます。
患者は通院のための時間とコストを節約できますし、医師のほうも患者をロビーで待たせる必要がないので気持ちが楽になります。
オンライン診療は医師と患者のコミュニケーションを深める効果があるのです。
医療体制の問題の解決方法
医療体制の問題とは、高齢者が医療機関にかかりにくくなっていることでした。
オンライン診療なら、高齢者がヘルパーの支援を受けずに医師と接触できます。
またヘルパーのほうでも自分が担当する高齢者がオンライン診療を受診してくれれば、通院介助を省略でき、節約できた時間で身体介助や生活介助を増やすことができます。
これは高齢者の生活の質の向上にもつながります。
患者の問題の解決方法
患者の問題とは自身の判断で治療を中断してしまうことでした。
オンライン診療なら、通院の面倒がないので、受診を継続しやすくなります。
武藤氏は、面倒が少ないからといってオンライン診療が対面診療より内容が薄いとは考えていません。
オンライン診療はインターネット回線を使うので、患者が自宅で毎日計測している血圧の値をメールで送信することができます。
つまり医師はほぼリアルタイムで患者の血圧の推移を把握することができるのです。
対面診療で同じ情報量を得るには、患者を入院させてこまめに血圧測定をしなければならず、医療費も患者の負担も医師の手間も増えてしまいます。
また、オンライン診療で医師と患者がつながっていれば、例えば医師が対面診療や検査が必要であると考えたとき、すぐにメールやチャットで呼びかけることができます。
まとめ~オンライン診療の潜在能力を使わない手はない
医療の3大問題は10年以上前に発生し、年々肥大化してきました。
したがって、従来の解決手法だけでは3大問題を解消することは難しいのです。
オンライン診療(遠隔診療)はIT、インターネット、スマホ、パソコン、Web、アプリを使っています。
つまりオンライン診療は、従来の医療を最新技術で補強したものです。
だから3大問題を解決できるかもしれないのです。
そのためにはオンライン診療の潜在能力をこれまで以上引き出す必要があるでしょう。
当クリニックのED・AGA・肥満治療はオンライン診療が可能です。
料金設定も「予約料500円+お薬の送料一律500円+お薬代」のみとなっております。
厚生労働省の告知に基づき、当クリニックでの初診は来院で受診して頂いた上で、
再診時よりオンライン診療による受診が可能となります。
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